
人事担当者のための派遣入門
派遣スタッフへのタブー
直接雇用の従業員にもセクハラ、パワハラなどのタブーがありますが、自社と雇用関係にない派遣スタッフに対してはさらに厳しいタブーが存在します。一歩間違えると重大な法令違反となることもありますのでしっかりとポイントを押さえる必要があります。
労働者を雇用する費用を考えるとき、企業にとって一番大きな負担は給与です。特に経費削減の問題を考えるとき、人件費イコール給与の削減を一番に検討する経営者や人事担当者もいらっしゃるでしょう。ところが人を雇うための費用は給与だけではありません。健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の社会保険料の会社負担額も非常に大きな経費となります。ところが、派遣スタッフについては社会保険加入の義務は派遣元企業にあります。ですから派遣先企業が派遣スタッフの社会保険料を負担する必要はないのです。また、契約内容によっては派遣スタッフに対して賞与や交通費の支給をなくすこともできます。これだけで年間にかかる費用は正社員に比べてかなり抑えることが可能なのです。
正社員を新規で採用しようとするとき、一体いくらくらいの費用がかかるのでしょうか。例えばインターネットの求人サイトに求人広告を出すとすると大手のサイトでは4週間で150万円以上かかる場合があります。無料求人誌への求人広告でも2週間で20万円から80万円ほどのコストがかかります。また、せっかく採用しても能力的にレベルが低かったり、就業態度に問題があったとしても、いったん雇用した社員を解雇することは容易ではありません。しかし、紹介予定派遣であれば求める能力に対する適性は派遣元企業が選定してくれますし、最長で6カ月という派遣期間でその適性を見極めることもできます。労働者にとってもいったん入社してしまえば、たとえ自分に合わないと感じても簡単にやめることができませんが、派遣期間であればお互いのミスマッチを防ぐことができます。
企業において社員が行うべき仕事には様々なものがあります。毎日、毎週決まったことを繰り返すルーチン業務や、業務の効率化や改善の提案実行、新しい事業の企画などのクリエイティブな業務まで多種多様です。しかし実際には業務の種類だけ社員を雇うことなど不可能ですし、ルーチン業務は時間がかかるものが多く、相対的にクリエイティブな仕事に割く時間が減っていきます。また会社としても優秀な社員にはより多くの時間をクリエイティブな業務に充ててもらいたいと考えます。そこで派遣労働者を採用し、時間のかかるルーチン業務を中心に担当してもらい、会社をより発展させるような仕事に正社員の時間やコストを割くことができるのです。