
人事担当者のための派遣入門
派遣スタッフの受け入れ
実際に派遣スタッフを採用するときの注意点を紹介します。派遣法によって禁止されている行為などもありますので、きちんと押さえておいて下さい。
二重派遣とは、派遣先企業からさらに別の会社に派遣されてそこで働くという状態です。よくあるのは、派遣スタッフを受け入れた部門長が、取引先から頼まれてその派遣スタッフを取引先の事務所に出向させて、取引先の指示に従って仕事をさせてしまうような場合です。二重派遣は明らかな違法行為であり、派遣元企業、一次、二次派遣先企業とも処罰される非常にリスクの高い行為ですので、そういったことの無いように人事担当者としては派遣スタッフを受け入れている部署に対して注意することが必要です。
社員を異動によってこれまでと違った業務に就けるということは、正社員ではよくあることかもしれませんが、派遣スタッフについては注意が必要です。派遣契約はその契約内容に、従事する業務内容も明記されています。ですから派遣スタッフに契約とは別の業務を行わせてしまうと、契約内容の一方的な変更になってしまうことになります。たとえ派遣スタッフ個人が承知していたとしても、異動が必要になった場合はまず派遣先企業に異動の可否について派遣スタッフに確認してもらうようにしましょう。そのうえで契約内容の変更を行うことが契約違反などのトラブルを避けるためにも賢明なやり方といえます。
ある優秀な派遣スタッフに対して、自社の社員として直接雇用を申し入れるような場合、その派遣契約が最初から紹介予定派遣であったり、3年を超える長期間契約を更新し続けている場合で本人が直接雇用を希望しているような場合は特に問題がありません。しかし契約期間の満了前に、しかも派遣スタッフ本人に直接正社員としての契約を持ちかけることはタブーです。そのスタッフはもともと派遣元企業と雇用契約を結んでいるのですから、優秀なスタッフであるほど派遣先企業にとっては痛手となります。仮にそのような申し入れを行う場合は、派遣先企業と交渉して契約形態を紹介予定派遣に切り替えるか、そのスタッフと派遣先企業との雇用契約の満了を待って正社員雇用を持ちかけるほうがよいでしょう。
その他によく問題となるのが、派遣スタッフに対するセクハラ、パワハラです。派遣スタッフに対してだけではなく、正社員やパート従業員に対しても十分問題ですが、近年のコンプライアンス意識の高まりを受けて自社雇用の従業員に対するセクハラ、パワハラについてはかなり注意されるようになってきました。しかし、正規従業員より立場的に弱い派遣スタッフに対してはまだまだセクハラ、パワハラがおこなわれているようです。なかにはあからさまに契約解除をちらつかせて飲みに誘われた、ということもあるようです。人事担当者としては雇用形態の区別なく、セクハラ、パワハラの撲滅について社内で啓蒙する必要があるでしょう。